■ 演出家挨拶(パンフ掲載文)
本日はご多忙ななか足をお運び下さいましてありがとうございます。中野です。
恋愛ものは難しいです。
価値観って人によって異なるもんだけど、恋愛物は特に顕著っていうか。
たとえばひとりの男性を見るとき、ある女性はイケてると思えても別の女性は苦手と思ったり、興味がなかったり。
だからこそ世の中上手く回ってるんですけど。
で、背伸びして、誰もが良しとする名作を書くのではなくて、自分の普段の価値観で書いてみようと思ったわけです。
何となく自分の中に可能性として起こりうる感情みたいなもので構築したというか。
だから自分の裸さらけ出してるみたいで恥ずかしいです。
ま、そんなわけで物語の中に演劇をやってる人達が出てくるわけです。
そのせいで演劇に詳しくない人にはちょっとわかりにくい表現もあるかもしれませんが。
また、今回いろんな制約つけて書いたんですが、そのうちのひとつが、「死」を扱わないようにしようと。
これがまた自虐的すぎました。
死って比較的観る側の心を容易に動かせる、いわばドラえもんに出てくる「味の素の素」の脚本版みたいなものなわけです。
毎回何だかんだと使ってきたんで、今回はその分展開が地味になっても頑張って封印して書きました。
でも本より何より、役者を観てもらえたら、役者の演技で楽しんでもらえたらと思います。
それが一番の言いたいことです。
このメンバーでしか作れないものに仕上がったと思いますので。ホント終わってしまうのが惜しいです。